【測定器の校正】品質管理と業務効率を両立するための基礎知識
製造業や検査工程、研究開発の現場において、測定器は品質管理の要となる存在です。寸法や電圧、温度、圧力などの測定結果は、そのまま製品品質や安全性の判断材料となるため、測定器の精度が信頼できる状態であることが求められます。
しかし、測定器は使用を続けることで内部部品の劣化や環境の影響を受け、徐々に誤差が生じます。その誤差を把握し、測定結果の信頼性を維持するために欠かせないのが「測定器の校正」です。
この記事では、測定器の校正がなぜ必要なのか、校正の適切な頻度やタイミング、そして自社で行う場合と専門業者に委託する場合の違いについて解説します。
測定器の校正はなぜ必要?―品質管理に欠かせない理由
測定器の校正とは、基準となる正確な値と、測定器が実際に示す測定結果を比較し、どの程度のズレがあるかを確認する作業です。
校正を実施せずに測定器を使用し続けると、気付かないうちにズレが生じ、以下のようなリスクにつながります。
・不良品やリコールが発生する
・必要以上に厳しい品質判断が行われる
その結果、
・検査結果の信頼性が低下する
・品質トラブルやクレームにつながる(会社の信用失墜)
また、ISO9001などの品質マネジメントシステムを導入している会社の場合、測定器の校正実施や記録管理は重要な要求事項のひとつです。測定器の校正は、単なる点検作業ではなく、品質管理を成立させるための前提条件といえます。
★ISO9001とは?
ISO9001とは、品質マネジメントシステム(QMS)の満たすべき要求事項を定めた国際規格です。認証を取得することで、対外的な信頼性の向上に加え、業務プロセスの見直しなど社内改善にもつながります。またISO9001では、製品やサービスの適合性確認に用いる監視・測定機器について、適切に管理し、必要に応じて校正または検証を行い、その記録を保持することが求められます。
測定器の校正はいつ行う?―校正のタイミングと頻度の目安
測定器の校正は、メーカーが推奨する周期に則り、一定のスパンで定期的に実施することが基本です。一般的には半年〜1年に1回を目安とするケースが多いものの、測定器の種類や使用頻度、使用環境によって適切な校正頻度は異なります。
代表的な校正タイミングは以下のとおりです。
・使用開始前(新規購入時や修理、調整を行った後)
・メーカーが定めた校正周期に達したとき
・測定器の使用環境に変化があったとき
・測定結果に違和感があるとき
・落下や衝撃を受けた際など故障が疑われるとき
測定器の校正は、問題が発生してから対応するのではなく、トラブルを未然に防ぐために計画的に実施することが重要です。
校正の実施方法は?―自社対応と外部委託
1. 自社で行う
測定器の校正は、基準器と呼ばれる高精度の測定器を使用して、社内で実施することができます。簡易的な測定器や、日常点検レベルの確認であれば、自社で対応している企業も少なくありません。
自社で行うメリット
・外部委託費用を抑えられる
・測定器を社外に出さずに対応できる
・業務スケジュールに合わせて柔軟に実施できる
自社で行うデメリット
・基準器の維持管理や更新にコストがかかる
・校正担当者の教育や運用整備に一定の手間と時間がかかる
・第三者による校正証明書類が取得できない
★校正証明書類とは?
校正証明書類とは、校正結果の有効性を証明する書類のことで、具体的には「校正証明書」「基準器検査成績書」「トレーサビリティ体系図」の3つを指します。これらの書類は自社校正でも発行することが可能ですが、メーカーや専門業者が発行した校正証明書類は第三者性が明確なため、ISO監査、顧客への提出、品質クレーム対応などの際は、外部委託の方がスムーズです。
2. 外部委託する
測定器の校正をメーカーや専門業者に委託することで、専門的な設備と技術を用いた校正を受けることができます。精度要求が高い測定器や、品質管理体制を重視する現場では、外部委託が一般的です。
外部委託のメリット
・専門性の高いメーカーや専門業者に委託することで、信頼性が高い結果が得られる
・基準器管理や校正作業の工数を削減できる
・第三者が発行した校正証明書を取得でき、監査や顧客対応が円滑に行える
外部委託のデメリット
・外部委託費用が発生する
・測定器の搬出に手間とリスクを伴う
・校正期間中は測定器を使用できない
★短納期対応や代替機の貸出など、業務への影響を抑えるサービスを提供している校正業者も多くあります。
まとめ
測定器の校正は、測定精度を維持し、品質トラブルを防ぐために欠かせない重要な業務です。日常点検や簡易的な確認は自社で対応し、定期校正や信頼性の高い校正証明書類が必要な場合は専門業者に委託するなど、用途に応じた使い分けが品質管理と業務効率の両立につながります。
測定器の重要度や管理体制を見直し、信頼できる校正業者と連携することで、安定した品質維持が可能になります。以下におすすめの測定器校正業者をご紹介します。
おすすめの測定器校正業者
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横河レンタ・リース株式会社
https://www.yrl.com/横河レンタ・リース株式会社は、横河電機・横河計測グループのメーカー系レンタル会社です。数万機種におよぶ計測器を自社保有してきた実績を背景に、高度な校正ノウハウと技術力を有しています。ISO/IEC17025に対応した国際水準の校正サービスを提供し、品質・コスト・納期のバランスに優れた点が特長。
参考サイト
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アイレポーター「計測器の校正とは?実施の方法やタイミング、ISO9001との関係を解説」
https://i-reporter.jp/column/15861/ -
キーエンス「品質保証に欠かせない測定機器の校正はいつ行う?」
https://www.keyence.co.jp/ss/general/manufacture-tips/calibration-of-measuring-instrument.jsp -
レント「測量機器の校正とは?校正時期と精度維持のための完全ガイド」
https://www.rent.co.jp/media/surveying/proofreading-toha/ -
測器ドットコム「測定機器を校正する必要と校正を行うタイミング・有効性の立証方法」
https://jm-sokki.com/column/info/measuring-equipment/#%E7%A4%BE%E5%86%85%E3%81%A7%E8%A1%8C%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88 -
横河レンタ・リース株式会社「校正担当者が語る 近年の計測器の校正事情とは?」
https://www.yrl.com/column/tm/interview_calibration.html -
ISOプロ「品質管理者は知っておきたいISO9001に関わる計測器の校正」
https://activation-service.jp/iso/column/2849
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