アナログ指示計器の基礎知識:構造と動作原理を徹底解説

アナログ指示計器は、構造が単純で動作原理も直感的に理解しやすい計器です。電気的な測定値を指針の振れ幅としてリアルタイムで示す電気計器であり、記録を目的とせず即座に測定値を視覚的に把握できるのが特徴です。「JIS C 1102直動式指示電気計器」にて規定されており、産業分野で幅広く使用されています。本記事では、アナログ指示計器の構造、動作原理、種類について詳しく解説します。

アナログ指示計器とは?

アナログ指示計器(指示電気計器とも呼ばれる)は、電圧や電流などの電気量を針の位置として表示する計器です。その基本動作は電磁気的な原理に基づいており、簡単で分かりやすい構造を持っています。そのため、アナログ指示計器の仕組みを知ることにより、電気計測の基礎を理解しやすくなります。

アナログ指示計器の構成

アナログ指示計器は、以下の3つの基本要素から構成されています。

駆動装置

測定対象から電流を得て、その電磁力で指針を動かすための力(駆動トルク)を発生させる装置です。駆動装置の仕組みの違いにより、アナログ指示計器の種類や動作原理を分類します。

制御装置

指針を適切な位置で止めるための装置で、駆動トルクと釣り合いを保つ役割を果たします。渦巻ばねや重力を利用した方法が一般的です。

制動装置

指針の振動を抑制し、測定値を安定して表示させる装置です。渦電流制動法、空気制動法、液体制動法など、計器の特性に応じた方式が採用されています。

アナログ指示計器の種類と動作原理

アナログ指示計器は駆動装置の種類によって分類され、それぞれ異なる動作原理を持ちます。代表的なタイプを以下に紹介します。

可動コイル形

可動コイル形計器は、永久磁石の磁界中に配置されたコイルに電流を流すことで、フレミングの左手の法則に基づく駆動トルクを発生させます。このトルクは渦巻ばねの反発力と釣り合った位置で停止します。直流専用ですが、整流器を追加することで交流にも対応可能です。高感度かつ高精度で、平等目盛(等間隔の目盛)を特徴とします。

可動鉄片形

固定コイルに流れる電流が発生する磁界により、鉄片を引き寄せる駆動トルクを発生させます。この方式では交流・直流の両方に対応可能ですが、直流の場合には残留磁気の影響を受けるというデメリットがあります。目盛は基本的に非平等目盛ですが、鉄片の形などを調整し平等目盛に近づけることもできます。

電流力計形

固定コイルと可動コイルの相互作用によって駆動トルクを発生させます。目盛は計測用途によって異なり、電力計では平等目盛、電流計や電圧計では2乗目盛(1,2,4,8,16,…などが等間隔となる目盛)となります。

整流形

交流を整流器で直流に変換し、可動コイル形アナログ指示計器で測定する方式です。高感度で消費電力が少ない特徴を持ちます。

熱電形

電流が熱線で発生させるジュール熱を熱電対で直流に変換し、その大きさを可動コイル形アナログ指示計器で測定します。交流・直流どちらにも対応可能で、実効値を示します。

静電形

固定電極と可動電極間に発生する静電力を利用する方式です。この計器は高電圧測定に特化しており、交直両用である点が特徴です。

誘導形

交流専用の計器で、電圧コイルと電流コイルの電磁誘導作用を利用して駆動トルクを発生させます。家庭用積算電力計などで広く採用されており、高い安定性と精度を誇ります。

アナログ指示計器の重要性

アナログ指示計器は、デジタル計器が普及した現代においても、シンプルな構造とリアルタイム性から多くの場面で使用されています。教育現場での基本的な電気計測の学習や、過酷な環境下での測定作業など、教育から現場まで幅広い用途で活躍しています。

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