アナログ抵抗計の基礎知識:仕組みと使い方解説
抵抗計(オーム計)は、電気抵抗を測定するための基本的な計器です。一般的な抵抗計のほか、低抵抗や絶縁抵抗を測定するための専用抵抗計もあります。本記事では、アナログ抵抗計の構造、動作原理、使用方法について詳しく解説します。
抵抗計とは?
抵抗計は、電気抵抗を測定するための計器であり、オームの法則(R=V/I)に基づいて抵抗値を計算します。測定対象や抵抗値の範囲に応じて、適切な種類の抵抗計を選択することが重要です。
抵抗の測定方法
抵抗を測定する主な方法として、以下の2つがあります。
1. 電流電圧法
直流電流計と直流電圧計を用いて、オームの法則に基づいて抵抗値を計算します。 シンプルな方法ですが、計器の内部抵抗や損失によって測定誤差が生じることがあります。 接続方法を工夫することで、誤差を抑えることが可能です。
2. ホイートストンブリッジ法
精密な抵抗測定に適した方法です。 既知の抵抗と可変抵抗を組み合わせ、電流のバランスを取ることで抵抗値を求めます。 微小な電流を検出するために、高感度の検流計が必要です。
抵抗計の種類
1. 一般的な抵抗計
中程度の抵抗値(1Ω~1MΩ)の測定に適しています。 可動コイル形電流計を基盤とし、目盛を抵抗値に換算したものです。
2. 低抵抗計(ケルビンダブルブリッジ)
接触抵抗や電線の抵抗など、低抵抗を測定するために使用されます。 電流回路と電圧回路を分離し、接触抵抗やリード線の抵抗による誤差を最小限に抑えています。
3. 絶縁抵抗計
高抵抗(1MΩ以上)を測定するための計器です。 主に絶縁試験に使用され、「メガー」という名称でも知られています。 測定時に直流高電圧を印加し、そのときの微小電流を基に抵抗値を求めます。
抵抗計の構造と動作
1. 基本構造
抵抗計の基本構造は、可動コイル形電流計に一定の電圧を印加し、流れる電流を測定することで抵抗値を算出する仕組みです。 目盛は抵抗値の逆数に比例するため、低抵抗では指針が大きく振れ、高抵抗では小さく振れます。
2. ケルビンダブルブリッジ
低抵抗の測定に特化した構造です。 測定誤差を低減するために、電流を流す回路と電圧を測定する回路を分離しています。
3. 絶縁抵抗計
絶縁試験用の高抵抗計で、目盛は対数目盛となっています。 内部に直流高電圧を発生させる回路があり、昔は手回し式発電機を使用していましたが、現在は電池式が主流です。
抵抗計の操作方法
零位調整
測定端子を開放した状態で、指針が目盛の「∞」を指すように調整します。
ゼロオーム調整
測定端子を短絡(ショート)させ、指針が目盛の「0」を指すように調整します。 内部電池の消耗による影響を補正し、正確な測定が可能になります。
レンジ選択
測定対象の抵抗値に応じて適切なレンジを選びます。 目盛が均等でないため、読み取りやすいレンジを使用することが推奨されます。
測定結果の見方
抵抗計の目盛は、通常の電流計や電圧計とは逆になっています。具体的には、
左端が「∞」(無限大)
右端が「0Ω」
となる目盛配置です。この特性を理解して正確に測定結果を読み取ることが重要です。
抵抗計の用途と重要性
抵抗計は、電気機器の設計や保守、品質管理において不可欠なツールです。例えば、以下のような場面で活躍します:
スイッチや接点の接触抵抗の測定
電線や回路の導通確認
絶縁試験による安全性の評価
適切な種類の抵抗計を選び、正しい使い方をすることで、精度の高い測定結果を得ることができます。
まとめ
アナログ抵抗計は、シンプルな仕組みで抵抗を測定できる計器です。測定対象や条件に応じて適切な種類を選択し、零位調整やゼロオーム調整などの基本操作を正確に行うことで、信頼性の高い測定が可能になります。
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